仕上(加工)法 |
詳 細 |
銀つき革 |
銀面(革の表面、個体の肌部)をそのまま生かして仕上げた革の総称。原皮から選別された動物傷の無い良質なものから作られる。革質が最も美しく、耐久性、艶も抜群。
※あまり知られていませんが、成牛革のような分厚い革は2−3枚にスライスされて銀面以外も使用されます
(‘床革’参照)。 |
床 革 |
銀つき革を取り除いた後の革で2枚目は‘一番床革’、3枚目は‘二番床革’と呼ばれる。原床革の表面は粗いので、主に加工革(型押し革、スエード、ベロア、エナメル革、等)の材料となる。 |
型押し革 |
高圧プレス機で革の表面に様々なエンボス加工を施した仕上法。模様によって様々なイメージを表現でき、材料の革を選ばず加工できる。近年のファッション・アイテムには欠かせない手法で、一般的なリザード調から、ワニ調やオーストリッチ調まで多岐にわたる。 |
揉み革 |
革を揉むことによりしわ(しぼ)模様をつける仕上法。もみ方により、色々なしわが表現でき型押し革とは違った風合いをだせる。有名なのはエルク(大鹿)調。 |
シュリンクレザー |
なめし工程時に薬品で銀面を縮ませることにより、しわ(しぼ)模様をつける仕上法。揉み革よりも強いしわ模様を表現できる。 |
スエード |
革の裏面や‘床革’の表面をサンドペーパーで起毛させる仕上法。ベルベット調の毛足が短く柔らかいものが高級とされ、豚革、キッド(仔山羊革)、カーフ(仔牛革)等の小動物が主に使われる。 |
シルキー |
カーフ(仔牛革)で作られたスエードの中の最上質なものを‘シルキー’と呼び区別することがある。 |
ベロア |
‘床革’の表面をサンドペーパーで起毛させる仕上法。成牛革の‘床革’が使われ、スエードより毛足が長く、粗い仕上がりとなる。 |
銀磨り革 |
革の銀面をサンドペーパーで削り取り起毛仕上した革の総称で、バックスキン、ヌバックがこの手法となる。スエード、シルキー、ベロアは裏面起毛に対し、バックスキン、ヌバックは銀面起毛。 |
バックスキン |
鹿革の銀面をサンドペーパーで削り、起毛させる仕上法。仕上がりはビロード調になり、近年広義では同様の風合いを出した牛革や羊革も含まれる。 |
ヌバック |
牛革の銀面をサンドペーパーで削り、起毛させる仕上法。バックスキンより目の細かいペーパーを使う為、短い毛足のベルベット調の仕上がりとなる。 |
エナメル革 |
クロムなめし革の表面に合成樹脂や油脂を厚く塗りピカピカにした仕上法。色の自由度が高くカラフルな仕上がりになる為、多くのブランドで採用されている。アメリカでパテントが取られた為、パテントレザーとも呼ばれる。 |
ガラス張り革 |
成牛革をガラス板やホーロー板に張り付け、乾いた後サンドペーパーで銀面を磨き、合成樹脂を塗布して仕上げる方法。硬くてメンテナンスが容易な事から主に靴や鞄、ベルトに使われる。 |
顔料革 |
革の表面に顔料を塗って着色する仕上た革の総称。銀面の傷を隠し均一に着色できることから広く使われている。透明ラッカーに貝の粉や魚粉を混ぜて仕上げるとパール状になる。 |
ヌメ革 |
‘タンニンいぶし’のみの自然の風合いを残した仕上法。経年変化で飴色に変色し、深い味わいが出てくる。水分が付着すると染みになるのが欠点。ルイ・ヴィトンが採用したことで有名になる。 |
セーム革 |
鹿や羊の皮を油でなめし、スエード状に仕上た革。現在人口では作れない組織密度の高さが特徴で静電気を除去することから、主に貴金属やレンズを磨く為のメンテナンス用品として利用される。 |
モロッコ革 |
山羊革をタンニンなめしで仕上た革をモロッコ革と言うことがある。銀面が粒状に細かく仕上がり、本の表紙や小物に使われる。モロッコでムーア人が始めた伝統産業で現在も特産品として作られている。 |